原木に菌を植える
原木シイタケ栽培で、ある意味「最も時間と労力」が必要になる工程になります。
まず、ほとんどの方が原木を業者から購入します。(自分で山から切り出す方もいます)
こんな感じでトラックで運んでもらいます。この写真の本数で1700本ぐらいです。
木の種類なのですが、私は主に「ナラの木」を使って栽培しています。
一部「クヌギの木」も使いますが、クヌギの木は「伐採時期」がよほどしっかりしていないと、
購入しません。
「ナラ」と「クヌギ」どちらもシイタケ栽培に適した「広葉樹」です。
ですが、「水の上がったナラは何とかなります」が「水の上がったクヌギはどうにも使えません」
一般の方に分かりやすく説明すると、ナラもクヌギもどちらも「広葉樹」です。
広葉樹は、寒い時期になると根から水分を吸う事を、一定期間やめます。
この時、「葉っぱが枯れます」非常に分かりやすい現象です。
この時に伐採して、シイタケ栽培に使うのです。
ですが、「クヌギ」は比較的暖かい地域にあるのと、この休眠期間が短いのです。
休眠期間の終わったクヌギは、ハッキリ言って「買うだけ損」なくらい、どうにもなりません。
菌を植える
次にいよいよ、到着した原木に菌を植える「植菌作業」になります。
一般的な栽培者でしたら、「ドリルで木に穴をあける」→「穴に菌を植える」
この作業を手作業でやっている栽培者も多いと思います。
皆様が思い描く「植菌作業」はおそらく、
「ドリルで1つ1つ穴をあけて、金づちで菌を打ち込む」
このように、トントンと打ち込んで行きます。
この作業が数十本であれば、「意外と楽しい作業ですw」
春先などイベントとして体験できる事もありますので、小さなお子様でも喜ぶ作業です。
この金づちで打ち込むタイプを「駒菌」と言います。
次からはシイタケ栽培のプロが使う菌のタイプになります。
私が使っている菌は「オガ菌」というタイプになります。
一般の方は目にする事も、耳にする事もないと思います。
このようにビンの中におが屑状の菌が入っていますので、
専用の機械や器具でドリルで空いたあなに植えこんでいきます!
私は、プロの栽培者の中でも少し特殊な機械を使って、この「植菌作業」をしています。
何がなんだか分からない写真だと思いますが、「穴をあけて、菌を植えて、溶かした蝋で蓋をしてくれる」
この作業を全自動で行ってくれる機械です。その機械が2台あります。
動画で作業風景が分かりやすくしました。
見ていただけると、高速作業で「穴をあけて、菌を植えて、溶かした蝋で蓋をしてくれる」様子が分かります!
撮影用に1本あたり多く植菌してあります。通常はこんなに細かく植菌しませんw
この機械は
「私が改造して間違いなく日本で1番正確で、最速になっていますw」
この機械を持っている、同業者見たら思わず口にすると思いますw
「速いな・・どこ改造したんや?」ってw
改造内容はあまりにも伝えるのが難しいので、
伝えませんw
この他にも「成形駒」というタイプもあります。これも一般の方はあまり知らない方法ですが、
たまにホームセンターなどで「植菌済みの原木」が販売されていると思います。
原木に「白い発泡スチロールの蓋」がしてあるのが、この「成形駒タイプ」です
こんな感じの原木がホームセンターで販売されている事があります。
植菌作業の時期
この植菌作業は、一般的には12月~4月にする生産者が多いと思います。
ですが私は「5月初旬」にしています。私の考えでは「梅雨時期の少し前」が一番良いと思います。
これにも理由があって、気温が寒い時期に植菌してしまうと、「仮伏せ」という工程が必要になるからなのです。
こんな感じで、植菌の終えた原木を密集させてビニールシートかぶせて、
温度と湿度を確保して「原木の材中にシイタケ菌を進ませます」
別にこの工程が悪いとは思いませんが、「酸欠のリスク」があるのと、
5月の暖かい時期に植菌作業すれば、「水さえ」かけれれば、全く必要のない工程です。
シイタケ菌も生き物です。「酸素」「水」「温度」さえ確保してやれば、何もすることがありません。
5月が一番いいと言ったのは、この3条件が100%だからです。2週間あれば、「真冬の2か月分」菌は進みます!
なので私の栽培方法は「いきなり本伏せ」です。約1週間で菌の穴の色が変わったら、
あとは「水をかけるだけ」ですw
2週間でこんな感じになったら、あとは何もしませんw
何故なら「梅雨時期」が来るからです!この梅雨時期はシイタケ菌が「最も活発に動きます!」
なので、「本伏せ」じゃないと「酸欠になります!」
この酸欠状態を受けた原木は「落ちるリスクしかないです」
特に植菌から半年発生するような「早生品種」は落ちやすいです。
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